手紙
ここに重なる色彩の計画にもなにも感じなくなってきて、「落下まで3秒だ」本当は宙ぶらりんで静止している。わたしは嘘を重ねた、それは僅かに色付いていた。
どうも空が不穏なのは、季節の所為だと笑って切り落とした。そこには重大な、見過ごしてはいけないなにかがあるように思う。水のことか?いや、きっと水のことだ。
腐りきった符号に這わせるようにして黒い髪が流れ落ちる。侵食、腐敗のイメージと重なったのは偶然の皮肉。なずめ、なずめ。
蟻が一列に並んでいる理由をすでに知ってしまったものだから、だって踏みつける元気はとっくにないんだよ。
ないんだ。
君にあげられるものなんか、なにも。そう、ないんだ。
そこにいてくれればいいと願えば願うほどすり抜けていくものと砂についての考察はまだ足りていない。仕方ないよ、時間は流れるから。
風化していないのに消えてゆく手紙に感じ入ることなんて報われないよな。
君のイノセントがひりついている間に刺されて死にたい。
(110402 18:08)