こんな観点


「雨だね」
「うん」
「でも雨が降ったんじゃないよ」
「うん、知ってる」
「僕たちが降らせたの」
「うん」



彼はたまにとっぴなことを言うから私はときたまついてゆけなくなる。
気持ち悪いおとこだねってみんな笑うけれど、私は真顔でそんなことを言ってみせる彼を好きになってしまったのだから仕方がない。
シロップにぷかぷか浮かぶ杏仁豆腐みたいな、そんな恋。現実味皆無のイミテイションラヴ。若気の至り的要素が強めでなんとも理想的じゃないか、という解釈。