00時12分の電車を待ちながら、生まれて初めてキャラメル味のチュッパチャプスを舐める。
裸になったわたしをペンライトが突き刺した。
その白すぎる光ともいえない切っ先に指を伸ばして、掴めない事実を何度も何度も確かめていたんだ。
確かめていたんだ、泣き叫びたくなりながら。
愛してくれないのはどうして、掴めないのはなんでなの、暖かい場所に連れて行って、抱き締めて。
女が難解な歌を歌いこなしていた、まるで水槽で、やっぱりわたしは裸だ。
光が腑に到達する。
中まで照らされて、裸以上に裸になる。
乳房は最早乳房でしかなかったし、それは全てにおいてそうだったはずだ。
見ないで、耳を塞ぐように髪をかきむしる。


「オッケイ、いい写真が撮れたよ」