目が覚めて真っ先に感じたのは後悔の念だった。目が覚めなければよかったのに、そしたら無心でいられたのに。手持ちの薬を全部飲んだらぼうやりできるだろうか、と考える。駄目だ、そんなことしたらオーヴァードーズと間違えられかねない。いや実際それはオーヴァードーズという行為なのだろう、なら尚更することは許されない。わたしはまだ留まって居なきゃならないのだ。
留まって居なきゃならないのだ。
阿部貞事件を思い出す。性器を切り取った彼女の気持ち、ああわたし何されても良いわ、レイプでも殺人でも監禁でもホルマリンでも、あなたになれれば、何されても良いわ。
